東京は代々木上原にある日本最大のモスク「東京ジャーミイ」。カリグラフィとアラベスクに囲まれた美しい空間は、誰でも触れることのできるイスラム文化の寺院でした。
小田急線・代々木上原駅から歩いて数分にある東京ジャーミイ。日本最大のイルラム寺院・モスクです。正式には「トルコ文化センター」。現在日本には81件のモスクがありますがここ東京ジャーミイは最大級。敬虔なイスラム教徒の寺院ですが広く門戸を開き、日本での文化交流も目的の一つとしています。なお、「ジャーミイ」とはトルコ語で「金曜礼拝を含む1日5回の礼拝が行われる大規模なモスク」を表し、毎週金曜には合同礼拝には400人前後のムスリムが集まるそうです。
東京ジャーミイの見学はいつでも誰でもOK。1日5回の礼拝も見学可能です。住宅地の中にある日本最大、オスマントルコ様式の東京ジャーミイの見学に行って来ました。
玄関を入ったエントリーの雰囲気やすぐ左にあるトルコ様式の応接間。もうここから既にすでに異国感たっぷりです。随所に散りばめられたオリエントな装飾。もうここだけで何枚も何枚も写真を撮っていてなかなか中に進めません。ちなみに写真撮影は自由です。ただし、許可のない礼拝中の撮影は不可。常識的に考えてもそうですよね。エントリーには持ち帰り自由な資料やイスラムについての解説冊子なども置かれています。
建物内部は至る所にイスラム語のカリグラフィが描かれています。美しいデザイン様に書かれているイスラム語。一体何と書かれているのでしょうか。
一階部分には図書館や多目的ホール、ハラールショップという売店もあります。このショップにも興味津々。お土産品や普段なかなか見られない商品が沢山並んでいて、イスラムで許されたハラール食品も沢山並んでいます。
さていよいよ礼拝堂へと続く階段を上がります。
靴を脱いで入堂すると、そこには圧巻の光景が広がっていました。見渡す限りの荘厳な装飾、ステンドガラスにシャンデリア。美しきイスラムがここに詰まっています。いや見事です。随所に施されたカリグラフィ、信者たちがひざまずいて祈りをささげるアラベスク模様の絨毯。これまで全く縁のなかったイスラムの美しさに言葉も出ず、シャッターを押し続けました。
一般的にモスクというのはとても神聖な場所。その殆どは異教徒が入ることは許されないそうです。東京ジャーミイのように一般に開放されていてるモスクは海外も含めて数が少なく、とても貴重な場所なんだそうです。
モスクでは女性と男性で礼拝場所が分かれていて、東京ジャーミイのでは2階が男性、3階が女性となっています。3階の女性用礼拝堂には男性は入ることができません。見学者も同様です。礼拝の前には必ず手足と顔を洗い清めますがこれも別。ここではそれぞれの洗面所に清め場所が設置されていました。
見学に際し服装についての注意があります。男女ともに短パン半袖はできれば避けたほうが良いそうです。特に女性はスカーフで髪の毛を覆わなければなりません。必ずしも持参する必要ななくモスクで借りることもできます。イスラムでは女性の美しさは自分の夫や家族、兄弟だけに見せるものという考えがあり、公共の場では髪をスカーフで覆い、ログワンピースなどで肌を隠す必要があります。
エントリースペースにも増して礼拝堂ではたくさんのカリグラフィが描かれています。全てアラビア語で書かれたものをとても芸術性の高いデザインで描いています。内容はコーランの一節であったりイスラム教徒が行うべき義務などが書かれています。
礼拝堂も含めモスクにはイスラム教典「コーラン」が置かれています。決して直置きしてはならず、このような書見台の上に置かれています。また礼拝同様、清めた手でしか触れてなならず、また女性においては生理中は穢れているされ、コーランに触れることは出来ず礼拝も出来ません。
最後に、モスクの礼拝堂に必ずあるアーチ状のくぼみ、これを「ミフラーブ」といいます。聖地サウジアラビアのメッカに位置する方角に設置され、こちらの方角に向かい祈りを捧げます。そしてその右横には「ミンバル」という説教壇。合同礼拝のときにはここから「コーランの1節が唱えられます。
いかがでしたでしょうか。仏教、キリスト教とともに世界三大宗教の一つ、イスラム教。世界では5人に一人がイスラム教徒と言われています。そのイスラム教のモスクで日本最大の東京ジャーミイ。荘厳であり華やかなモスクに酔いしれ、異文化に触れるべく足を運んでみてはいかがでしょうか。
東京ジャーミイ公式サイト http://tokyocamii.org/
【開館時間】年中無休。8時から18時まで見学自由
【所在地】 〒151-0005 東京都渋谷区大山町1-19
【アクセス】小田急線代々木上原駅下車、徒歩5分
※撮影機材
カメラ;SONY α6400
レンズ;SONY Vario-Tessar T*E16-70mm F4 ZA OSS